2019年10月

ラズパイDACにクロック注入ができるようになったので、手持ちのクロックの音質を確認しやすくなりました。手持ちクロックの印象をまとめておきます。

まず筆頭は、Neutronstar2。昔、クロック界?で一世を風靡した、LC Audioの系列の最新製品です。

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 基板上にSPXOを搭載し、簡易温度調整機構を設け、気合の入った定電圧回路でクロックを駆動しています。比較的スッキリとした音質ですが、空気感がよく出るので、インパクトのある音がします。電源投入からの立ち上がりも、他の2つに比べると早いです。

次に来るのは、広島市のオーディオショップ、サウンドデンの開発したDTUクロック。

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内部は、廉価版として販売されているDTDと回路的には同じになります。違うのは、ハイエンドのマイカコンデンサを採用していること、シールド効果の高い銅ケースを使用していること、です。音は音楽性が高く、また、音調としてはアナログシステム的な音となるため、最終目標がアナログの音、ということであればこのクロックを選択するのも良いかと思います。

そして、最後は、NDKのDuCULoN。

EEG-6rJUEAMwYvOのコピー

クリスタルを恒温槽(オーブン)で加熱し、硬さを絶妙な状態にコントロールすることで、澄んだ響きを実現するOven Controlled XO(OCXO)を採用しています。さらに、DuCULoNでは、完全な同一周波数のXOを選別し、一つを発振用、もう一つを共鳴用として、共鳴させた信号のみを出力するダブルXOシステムを採用し、特に高周波におけるノイズが極限まで抑制されています。 電源投入直後はややもっさりとした印象ですが、次第に「自然」としか言いようがない音に変化してきます。


オーディオ再生におけるクロックの役割は、
①再生速度のコントロール (可聴帯域以下の信号のゆらぎの抑制) = 再生クロック
②DA変換のコントロール (可聴帯域以上のΔΣ変調による信号変換の精度保持) = DAクロック
の2つがあると思っています。

①は再生速度そのものの変化で、アナログ再生におけるターンテーブル回転の安定度に対応すると思います。重量級のターンテーブルでは、回転が安定するため、再生音も安定します。軽量ターンテーブルでは、針の抵抗や音楽信号の量、回転動力源のゆらぎなどにより、回転がブレます。また、アナログ盤の共振などにより、何らかの「響き」が乗ったりします。そのため、可聴帯域周期での再生速度の変化は、再生音の安定性に影響すると考えています。

②はデジタルをアナログ信号に変換する際に問題になります。アナログ信号の生成を抵抗の抵抗値の組み合わせだけで表現する場合(マルチビットDA)の場合と比較して、アナログ信号をオンとオフのそれぞれを時間ごとに切り替えて再生する場合(ΔΣ変換)、時間の精度が直接的に出力の信号の精度に影響を及ぼすことになります。このため、可聴帯域以上の時間精度の乱れは再生音の精度に影響することになります。

近年、外部クロックとして、10MHzのクロック源を用いたマスタークロックが多数販売されるようになっていますが、これらは、基本的に①再生クロックのコントロールを行っていると考えられます。そして、②DAクロックとして使用するのには不向きと考えられます。その理由として、DA変換にはより高い周波数(40MHz以上)が必要となる場合が多いこと、また、再生する信号が44.1kHzや、48kHzを基本としたものであるため、理想的には、それらの周波数を整数倍したクロックで変換を行ったほうが時間精度が高くなること、が挙げられます。
結局、再生クロックとしてはともかく、DAクロックとしてはマスタークロックの10MHzをそのまま使用することは容易ではなく、また、10MHzを逓倍回路で周波数を上げて使用しても、逓倍回路の品質がそのままクロック品質となってしまうため、はじめから高周波なマスタークロックを使用したほうが有利となり、あえて外部から10MHzを供給する魅力が半減してしまいます。
(なので自分は、44.1kHz、48kHzの整数倍のクロックにこだわって、クロック換装をしています。)


今回挙げた3つのクロックは、どれも電源や設置条件で音が変わります。なので、自分としてはクロックはそれ自体で楽器なんだと思っています。

さて、次は何をしようかな。クロックの世界は広大ですからね。 

10月8日の「ラズパイ × DuCULoN」で書いたとおり、現在、自環境のラズパイDACはクロックケーブルを引き出して、直接クロックを接続する仕様になっています。

デジタル再生は44.1kHzベースのものと、48kHzベースの2つの形式があり、それぞれ異なるクロックを用いて再生されるのですが、クロックケーブルの引き出しを行った際に、クロックの自動切り替え機能が無効になりました。そのため、それぞれのファイル、例えば、CDベースのファイルの再生後に、ハイレゾの192kHzのファイルを再生するときなどには、クロックの切り替えをすることが必要な状態でした。
そのまま再生すると、48kHzが44.1kHzとして再生されるため、やや速度が遅くなり、音程も低くなります。聴けないわけではないですが、変な音です。w

クロックはつなぎ直せば切り替わります。しかし、使用しているSMBコネクタは本来、かんたんに抜き差しできるはずなのですが、今使用しているものはロックが固く、配線をさし直すのもそれほど容易ではありません。どうにかスイッチで切り替えられないか、と考え、高周波信号スイッチと変換コネクタを組み合わせ、クロック切り替えシステムを構築してみました。

使用したのは、こんな切り替えスイッチです。

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MHz帯を超えて、GHz帯まで使える仕様のようです。本来何に使われるものかは知りません。w
で、それを色々な変換端子を使って、

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こんな具合に接続しました。中央のスイッチを回すだけで、瞬時にクロックの切り替えができます。
(再生中に切り替えることもできました。特にノイズもありません。) 

これで、44.1kHz系の45.1584MHzのクロックと、48kHz系の49.1520MHzのクロックをつないでおけば、いろいろな再生ソースをストレスなく切り替えて再生できます。
クロックを手動で切り替える、というのも、アナログ再生のターンテーブル操作に似て、再生の儀式として面白いものだと思いました。

最初に切り替えたクロックはこちら。

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DuCULoNは寝起きが悪いので、比較的寝起きの良いNeutronstar2です。45MHz版(手前)にはSPXOが搭載されていますが、49MHz(奥)の方はMEMSが載っているようです。クロックまわりも時代によって変わるものだな、と感じました。

ラズパイに5V系電源を取られていますので、改めて電源強化が必要になりました。
電源が揃ったらDuCULoN接続に移行するつもりです。 

話題(?)のHifiberryOSを試してみました。
最新イメージファイルをDLして、マイクロSDカードを作成。
起動してみると、たしかに「hifiberry」としてネットワーク上に登録されました。
hifiberry.localでブラウザからアクセスし見てみると、再生、前後選曲ボタンとアルバムアート表示のみが表示されました。HifiberryOSでは、NASなどへのアクセス制御はできず、プレイリストを受け取るのみの動作の様子でした。

そこで、別起動しているDaphileを起動してみると再生用デバイスとしてHiFiBerryが表示されました。
EHEZch7UEAE5KWX
 
Daphile2台使用の際の再生側を置き換えできることがわかりました。音質的には良いのかどうかは一度聴いただけではよくわからず。(再生したのが、新規導入したXLRモデルだった、というのもあります。)

ということで、HiFiBerryOS単独で動作をさせるようなものではなさそうなので、現状での自分の環境ではそれほど出番はなさそうに思われました。

そのうち、また魅力的にアップデートするのでしょうか?楽しみです。
 

ご存知Raspberry Pi(ラズパイ)には、様々なDACボードが市販されています。
先日導入した、SB32+PRO DoPやmsberryもボードの一つですが、こちらのブログを拝見すると様々なボードが市販されているようです。 現在使用しているメインシステムがバランスプリとバランスパワーなので、XLR出力のあるDACボードに目をつけました。
ただ、こちらのブログでは「ギャグ」と評価されており、正体がつかめません。 

問題のボードは

https://www.hifiberry.com/shop/boards/hifiberry-dac-pro-xlr/

こちらに情報があります。しかし、肝心のチップ周りが写真の影になっています。
そこで、早速注文してみました。専用ケースもあるようなのでそれも一緒にポチっと...

で、受け取ったボードがこちら。
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真ん中にチップが1枚。電源はレギュレーター4個。クロックは2個のようです。
かんたんな中身です。

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写真はすべてiPhoneSEでの撮影ですが、ちゃんとフラッシュを使って撮影してみると、チップの型番が読めました。PCM5242。つまり、

http://www.tij.co.jp/product/jp/PCM5242

これですね。
「2VRMS DirectPath™、114/108 dB オーディオ・ステレオ差動出力 DAC」
とのことです。出力カップリング不要で、デフォルトで差動出力が出せるようです。
電源は3.3V2系統か、3.3V、1.8Vの2系統。レギュレーターのプリントが2つ同じであることを考えると、3.3V2系統で駆動されていると見るのが妥当そうです。

電源はラズパイ本体から接続されていますが、抵抗を外すことで外部給電もできる様子です。
コンデンサ用の空きパターンがあり、GNDと5V電源につながっていますので、ここにはコンデンサの追加ができる様子。

このDACボードの説明書には、「ボード単体でケーブルをつなぐと端子に荷重がかかって壊れる可能性があります。」と書いてあるので、テスト動作後、すかさず同時注文していたラズパイDACケースにおさめました。(ついでに上記電源コンデンサを追加しました。)

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メインシステムがプリ、パワーともバランス接続だと、最上流からバランスなのはなにか良い気がします。
しばらく慣らし運転です。(*´ω`*) 

先日購入したハンダ吸い取り機で古いCDPのコンデンサ換装をしました。

初回使用時にちょっと煙が出るって書いてあったけれど、たしかに出ました。
こうかなー、と思いながらやってみるとかんたんにハンダが吸い取れます!(当然)。

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あっという間に、コンデンサがコロコロと取れました。感動。ヽ(=´▽`=)ノ

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そしてすかさず注文していた最近のコンデンサを装着!
古いCDPが最近のスペックに!(ちがう
せっかくなので音質に関係なさそうなコントロール系もコンデンサ換装しました。
出力のカップリングと、電源の大容量コンデンサだけ、オーディオ用の一般コンデンサです。
オール固体電解は音が神経質になりすぎた経験から、ちょっとだけバリエーションをつけました。

で、早速鳴らしてみたわけですが、見通しUP、低域の沈み込みUP。( ̄ー ̄)bグッ!

6畳間最強と謳われたヒノキエンクロージャーの小型2wayで鳴らしましたが、サブウーファーでも足したかというくらい低域の沈み込みが深くなりました。同時に見通しも良くなって、ボーカルの雰囲気もUP。

今回換装のコンデンサはだいたい2000円ちょっと分ですけれど、これでこれだけ変わるのであれば、電源ケーブルに数万円も投資するのは無理な気持ちがしてきてしまいます。 (個人の感想です。

同時進行でラズパイにクロック注入をしていますけど、このCDPの音のレベルにはラズパイでは到達できないんじゃないか、という印象です。(個人の感想です。

あとは、DAC、サーボ基盤のコンデンサです。これはおそらく、モーターユニットを外さないとアプローチできないので、次回へ持ち越し。

結論としては、「ハンダ吸い取り機はおすすめ!」ですね。これも個人の意見ですけど。
 

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